myでんきコラム

COLUMN 01
店舗経営者や自営業者の目線での電気料金などの節約について

PROFILE
キムラミキ(木村美紀)

鳥取県立米子東高等学校卒業後、日本社会事業大学社会福祉学部にて福祉行政を学ぶ。 大学在学中にAFP、社会福祉士を取得。大学卒業後、アメリカンファミリー保険会社での保険営業を経て、株式会社アゼル(マンションデベロッパー)にてマンション営業、マンション営業企画に携わった。その後、株式会社優益FPオフィスでの業務委託・スタッフ経験を経て、2008年8月より独立し、現在、ラフデッサン代表を務める。

電力の小売り、全面自由化へ

2011年3月に発生した東日本大震災。その影響で原子力発電所の事故が発生し、電力の供給不足が生じて対策として計画停電や料金の値上げなどが行われたことは、まだ皆さんの記憶の中に色濃く残っているのではないでしょうか。

それを契機に、従来の電力システムの抱える様々な問題が議論されるようになり、政府は、「安定供給の確保」、「電気料金の最大限抑制」、「需要家の選択肢・事業者の事業機会の拡大」を目的として、電力システムに関する改革 に取り組んでいます。

その改革の具体的内容のひとつが、電力自由化。実は、2000年以降、既に電力の小売りは大口消費者に対しては部分的に自由化されています。2016年4月からは、法律の改正によって、家庭を含む小口消費者に対して、全面自由化されることになります。これによって、従来の地域ごとの電力会社だけでなく、さまざまな会社が電力を消費者に直接販売できるようになります。今回の自由化に伴い、多くの会社が電力小売事業へ参入を予定しています。

電力自由化のメリットは?

電力自由化のメリットは?

電力自由化のメリットはいくつかありますが、まず思い浮かぶのは電気料金が安くなる可能性が挙げられるでしょう。既に自由化された大口消費者のなかにも、電力会社の選択により電気代の削減につながっているケースもあります。

そして先ほどお話した通り、多くの会社が電力小売事業へ参入を予定しており、その中には様々な業種の会社が存在します。電気料金だけの競争だけではなく、各会社が既に扱っているサービス(携帯電話、住宅、リフォーム、家電、インターネット回線等々)との組み合わせによる「セット割引」といった多様な料金メニューが生まれることが考えられます。

新規参入する会社はどうやって電力を調達するの?

新規参入する会社はどうやって電力を調達するの?

電力自由化により、電気料金が安くなる可能性があったり、多様なメニューの中から選べるようになったり、とメリットがあると感じられるものの、電力の小売事業へ新規参入する会社がどのように電力を調達して私たちの元へ届けてくれるのか、また、店舗経営者や自営業者という立場となれば、業務中に停電リスクはないのか等々、不安に感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

電力の小売事業へ新規参入する会社は、発電設備の有無によって、大まかに2つに大別されます。発電設備を持つ会社は既存の工場やプラントのために自家用発電を行い、その余った電力を小売りすることになります。一方、発電設備を持たない会社は自家用発電を行う会社や電気卸取引市場から電力を買い取って小売りすることになります。

いずれのケースにおいても従来通り、電力会社の送信網を利用して届けられるため、例えば、新規参入する会社のうち小規模な電力会社と契約したからといって、頻繁に停電が起きるリスクに悩まされるという心配はありません。

電力自由化についての注意点はないの?

電力自由化により、小規模な電力会社と契約したことによって停電リスクが高まるわけではないとお話しました。しかし、倒産リスクはあります。信用できる会社であるかどうかは、当然ながら見極める必要性があるでしょう。

また電力の小売事業へ新規参入する会社の発電設備の有無、そして電力供給能力によっては、電力の小口消費者の中でも消費量が多い顧客との契約を断るなど、使用実態が会社の想定している顧客層と異なる場合に顧客の選別が行われるケースもあるかもしれません。

多くの様々な業種の会社が、電力の自由化に伴い電力の小売事業へ新規参入します。選択肢が多くなるということは、自分にとって、会社業務にとって、有益な情報は何かを見極める目も、求められることになります。

節約に上手に結びつけるために

店舗経営者や自営業者が電気料金の節約を行う方法として、現在でも、電力会社が行っているサービスの中に、安く料金形態の夜間電力を利用した割引を利用する方法があります。

今後、例えば、電力の小売事業へ新規参入する会社の中には、自社工場のための自家用発電設備を持っている場合、夜間に工場が稼働することが多くて電力を多く使うけれども、昼間の工場稼働が少ないので昼間の電力が余るというケースがあるかもしれません。その場合、この会社が昼間の電力を安く小売りするという可能性もゼロではありません。

まずはご自身の事務所や店舗が、どんな時間帯にどれくらい電気を使っているのか、この機会に現在契約している電力会社に問い合わせてみましょう。その上で、ご自身の店舗や事務所の使用実態にあった料金形態をもっている電力会社を探してみると、電気料金の節約につながるかもしれません。

店舗経営者や自営業者の方の中には、電気料金について、使っていない電灯等のスイッチを消すといったこと以外に、そもそも他にサービスの選択肢がない故、日頃あまり電気料金の節約について深く考える機会を持たなかった方もいるのではないでしょうか?改めて、ご自身の事務所や店舗での電気の使用実態に目を向けてみることで、電気料金の節約に意識が高まり、思い浮かぶアイディアも出てくるかもしれません。

例えば、あるネイルショップでは、施術時間中に寒さを感じないように、冬になるとエアコンの他、いくつか小さな電気ヒーターが置いてありました。しかしある日、ショップにいくと、席に着いたときに、ひざ掛けと可愛いカバーにくるまれた湯たんぽを提供されました。その時、ふと電気ヒーターがないことに気づいたのですが、電気ヒーターよりもふんわりとした暖かさで、とっても自然な心遣いとして、そのサービスを受け取ったことを覚えています。このように、普段電気を使用しているサービスや業務の中に、電気を使わない手段に置きかえられるものがないかを考えてみることも、節約の方法のひとつです。

まずは、ご自身の事務所や店舗における電気の使用実態を把握してみるということが、電力自由化を、業務における節約に結びつけるための、初めの第一歩。その上で、各社の情報に、しっかりとアンテナをたてて、必要な情報やサービスを利用したいものですね。

文責:キムラミキ(木村美紀)
このコラムに掲載の情報は2015年11月時点のものです。