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COLUMN 03
電力自由化のしくみ

電力自由化には、発電した電気を電力会社に卸売する「独立系発電事業者(IPP:Independent Power Producer)」と、電気を小売する「特定規模電気事業者(PPS:Power Producer and Supplier)」があります。

どちらも私たちの暮らしに関係するのですが、特に小売は、どの会社に電気料金を払うのか、というとても直接的な部分で大きく関わってきます。「電力自由化」によって、電力会社以外の企業、事業者も電気を売ることができるようになりました。どうして電力会社以外が電気を売ることができるのでしょうか?従来の電力会社のような設備がどの会社にも備わり、同じように電気が使えるのでしょうか?
これまでの普通の感覚では、とても不可能なことのように思える、というのが正直な印象ではないかと思います。

どうして電力会社以外でも大丈夫なのでしょうか

どうして電力会社以外でも大丈夫なのでしょうか

これまで日本では電力会社が電気を供給し、私たちは住む地域によって各地の電力会社に電気料金を払ってきました。電力会社は、電気をつくり(発電)、送電線を通じて電気を送り(送電)、私たちの家庭へ電気を届けていました(小売)。

このうち、自由化されているのは「発電」と「小売」です。発電は、実は1995年から自由化されていました。すでに20年近く実績のある事業者もあり、発電した電気を電力会社へ卸売しています。
一般家庭への「小売」の自由化が始まるのは2016年4月ですが、段階的に1999年からデパートや工場、スーパーマーケットなどを対象に「小売」は自由化されてきています。

自由化により多くの企業が参入してきますが、電線を通じて電気を送る「送電」は、どの事業者もこれまで通り、従来の電力会社のものを使わなくてはなりません。
これは、電気事業法改正によるもので、自由化にあたり新規参入事業者が、各電力会社の送電ネットワークを利用するための公平で公正なルールが決められています。

こうして、電気の供給に欠かせない送電は、これまでと変わらない送電ネットワークを利用できるようになっているため、電力会社以外の事業者が参入しても、電気は変わらず使えるのです。

安定供給を支える「電力広域的運営推進機関」

安定供給を支える「電力広域的運営推進機関」

電力自由化にあたり、もうひとつ重要なことがあります。それは需要と供給のバランスです。電力自由化は、電力の安定供給を実現しつつ、自由競争を促進することを目指すものであるため、ある地域で過剰に電力が作られたり、また別の地域で災害などによって電力が供給できない状態となったりしたときに、送電ネットワークを広域で活用できるようにしておく「広域的運用」の考え方が自由化には欠かせません。
これまで電力は、それぞれの地域で作られ、消費されてきましたが、送電ネットワークを従来どおり各地域の電力会社内だけで管理していたのでは、せっかく自由化が進んでも需要と供給のバランスがその地域内に止まってしまい、本来の目的である自由競争を生むことができません。

その広域的運用を推進するため、国の認可を受けて発足したのが「電力広域的運営推進機関」です。これまでの電力会社、新規参入事業者を問わず、すべての電気事業者は、この機関への加入が義務付けられており、発電事業や小売事業では供給計画の提出や需給調整が、送電事業では、送電ネットワークの運用に関する報告が義務付けられているのです。

「電力広域的運営推進機関」は、これまでの電力会社が各社で行っていた、各地域での需給バランスの監視業務の一部も担います。各地域での需給バランスを全国レベルで調整できるよう監視し、安定した供給を実現するために、各電気事業者へ指示を出す権限を持つ、公正な立場の機関なのです。

電力供給の3大要素、発電、送電、小売のうち、送電は従来どおり各地域で1社にしたこと、電力事業全体を公正な機関が監視、コントロールすることで、安心して使える電気をさまざまな業種の事業者の中から消費者である私たちが選んで、買うことができるようになったのです。

文責:株式会社ピーエー
このコラムに掲載の情報は2016年2月時点のものです。